はじめに:年齢とともに増える不調の正体
年齢を重ねるにつれて、痛みや体調不良が増え、さまざまな病気にかかりやすくなることは、皆様も実感されているでしょう。
その根本原因の一つが、体内でじわじわと進行する「慢性的な炎症」です。
炎症は本来、身体を守るための反応
「炎症」と聞くと悪いものに思えますが、実は体を守るために必要な反応です。
たとえば、手を切ったり風邪をひいたとき、患部が赤く腫れるのは免疫細胞が集まり、修復や防御をしている証拠です。
このような一時的な炎症は、「急性炎症」と呼ばれ、役目が終われば自然におさまります。
問題は「消えない炎症」=炎症老化
しかし、傷が治ったあとも「くすぶる炎症」が続くことがあります。
これが慢性炎症であり、老化や病気の進行を促してしまうのです。
近年、この現象を「炎症老化(inflammaging)」と呼び、さまざまな研究でその影響が明らかになってきました。
- 50歳頃から徐々に進行し
- 60歳を過ぎると急速に悪化する
という報告もあり、蒼野も65歳になった今、自ら強く意識しています。
老化細胞と炎症の悪循環
私たちの体は37兆個の細胞でできていますが、加齢やストレスでダメージを受けると、細胞は本来の機能を失い「老化細胞」になります。
老化細胞は、
- 分裂せず
- 本来の働きをしなくなり
- 周囲に炎症を引き起こす「老化関連分泌物質(SASP)」をばらまく
ことで、周囲の細胞までも老化に巻き込んでしまいます。
これがさらに慢性炎症を悪化させ、悪循環を生み出していくのです。
老化の悪循環メカニズム
① 加齢やストレス、毒素でミトコンドリアが傷つく
↓
② DNA損傷・テロメア短縮 → エネルギー不足 → 老化細胞の増加
↓
③ 老化細胞がSASPを分泌 → 慢性炎症が進行
↓
④ 周囲のミトコンドリアも損傷 → 老化が加速
この連鎖が、体の老化や病気リスクを高める真犯人です。
老化細胞は、まるで周囲を巻き込む「ゾンビ細胞」のように振る舞うため、俗にそう呼ばれています。
脳にも及ぶ炎症老化の影響
特に脳では、炎症によってミクログリア(脳の免疫細胞)が過剰に活性化し、
血液脳関門の破綻、神経細胞の破壊が起き、認知症リスクが高まると考えられています。
体のあらゆる場所で、炎症老化は静かに、しかし確実にダメージを進めているのです。
炎症老化を防ぐ基本は生活習慣
- 適度な運動
- 抗炎症的な食事(地中海食、和食中心)
- ストレスマネジメント(瞑想、リラクゼーション)
- 質の高い睡眠
これらを地道に続けることが、炎症老化を抑える土台となります。
注目される「水素吸入」
現代社会では、どうしてもストレスや睡眠不足、環境汚染など、炎症を促す因子を完全に避けることは困難です。
そこで、今注目されているのが「水素吸入」という新しいサポート法です。
水素分子(H₂)は、
- 体内の悪玉活性酸素(ヒドロキシラジカル)だけを選択的に除去
- 正常な細胞は傷つけない
- ミトコンドリアの損傷を防ぐ
- 慢性炎症をやさしく鎮める
という特徴を持ち、非常に理想的な抗炎症戦略といえます。
研究結果も続々
- 脳梗塞後の炎症抑制
- 心停止後の蘇生率向上
- 糖尿病性腎症の進行遅延
など、さまざまな動物実験・臨床研究で効果が示されつつあります。
さらに、老化細胞が分泌するSASPを水素が抑える可能性も注目されています。
おわりに:新しい健康習慣としての水素吸入
蒼野自身も、水素吸入を取り入れて、65歳の今も不調なく過ごせています。
水素吸入は、急に若返ったりするものではありませんが、
**「静かに、しかし確実に、炎症老化の進行を和らげる」**頼もしい味方だと実感しています。
これからの健康の新常識として、
ぜひ、手軽に始められる水素吸入を生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。