高強度トレーニング前の水素ガス吸入は、男子ラグビー選手における一酸化窒素の生物学的利用能の減衰を減少させる

Hydrogen gas inhalation prior to high-intensity training reduces attenuation of nitric oxide bioavailability in male rugby players.PeerJ 2024 12:e18503(高強度トレーニング前の水素ガス吸入は、男子ラグビー選手における一酸化窒素の生物学的利用能の減衰を減少させる

対象

平均年齢 23 ± 2.65 歳、体重 88.32 ± 6.53 kg、身長 183.73 ± 5.88 cm のプロの男子ラグビー選手24名

方法

6日間のトレーニング(D1〜D6)と1日の休息(D7)のを行う週、それぞれに、水素吸入、プラセボ吸入、吸入なし(ウォッシュアウト)を1週ずつ無作為に行なってデータを取りました。

トレーニング内容は、90〜120分の身体運動、30〜45分の高強度インターバルトレーニング、90〜120分のチームテクニックと戦術のトレーニング、60〜90分の個人テクニックトレーニング、60〜90分のストレッチと理学療法を含む回復でした。

結果

3週間の検証の結果、運動トレーニング前に水素吸入することで、運動後のプロスポーツ選手のNO(血漿一酸化窒素)シグナルの反応を保護、酸化損傷マーカーと炎症因子のレベルを優位に下げる結果を得ることができました。

一酸化窒素(NO)は、血管内皮細胞で産生されるガス状のシグナル分子で以下のような パフォーマンス向上や回復 に関与しています。

  • 血管拡張作用(血流を改善し、筋肉への酸素供給を増加)
  • ミトコンドリア機能の調節(エネルギー産生をサポート)
  • 抗炎症・抗酸化作用(筋損傷や疲労を軽減)
  • 神経伝達調整(集中力・判断力向上)

高強度トレーニング前の水素ガス吸入は、男子ラグビー選手における一酸化窒素生物学的利用能の減衰を抑制しました。

NOシグナルを保護・強化できれば、持久力・瞬発力・回復力・集中力すべてに好影響を与える 可能性があります。